内視鏡検査
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上部内視鏡検査(胃カメラ)経鼻内視鏡(鼻から入れる内視鏡)も可能です。 下部内視鏡検査(大腸カメラ)観察だけでなく、必要であれば検査中に切除もできます。

上部内視鏡(胃カメラ)

食道、胃、十二指腸の病気を診断するために行います。当院では三つの方法の中から選択できます。

  • 従来から行われているのどを麻酔して口から飲む経口法
  • 鼻を麻酔して鼻から通す経鼻法
  • 睡眠薬を点滴して寝ている間に行う鎮静法があります

それぞれに一長一短がありどの方法が良いのかは一概には言えません。
ケースバイケースで判断する必要があります。

口から飲む内視鏡(経口法)

経口法はのどの麻酔だけで行うため準備に時間がかかりません。受付をしてから会計終了まで、早ければ40分くらいで済みます。
すでに何回も経験されており検査に慣れている方や、とにかく早く帰りたい方には向いています。

ただし、慣れていない方は「ゲー」という嘔吐反射をコントロールできず、とても苦しい思いをする場合が多いです。
検査を勧めると、「胃カメラはもう二度とやりたくない」という反応をされる方をお見受けしますが、大半はこの嘔吐反射が原因です。

「細いスコープを開発する」「鼻から通す」「睡眠薬を使って寝ている間に行う」といったことは全てが嘔吐反射対策であるといっても過言ではありません。

鼻から通す内視鏡(経鼻法)

経鼻法は鼻の麻酔をしてから検査を行います。液体の麻酔薬を左右両方の鼻にスプレーを使って噴霧します。
検査前に両方の鼻の内部を見て広い方から内視鏡を挿入します。

最大の特徴は、内視鏡が嘔吐反射の原因となる舌根部に触れずにのどに到達するという点です。
口から飲んで「ゲー」となった方でも、鼻からだと反射が出ない場合が多いです。その結果楽だったと言われます。

検査中に声を出すこともできますので、慣れている方からは「今の赤く見えたところは大丈夫ですか?」などとモニターを見ながら質問される場合もあります。
会話をすることで緊張感が和らぎ、楽に感じるという効果も期待できます。

経鼻内視鏡の写真

しかし、難点は鼻の痛みを感じる方が多いということです。大抵は「この程度なら我慢できる」という程度ですが、中には痛みがつらくて「もう鼻からはやらないとおっしゃる方もいます。
特に慢性鼻炎や蓄膿症など、鼻のつまりやすい方に痛みが出やすい傾向があります。

寝ている間に行う鎮静法

鎮静法はのどの麻酔までは経口法と同じですが、検査台に横なった後睡眠薬を注射して寝ていただきます。
寝ている間にのどを通してしまいます。すると、「ゲー」という反射は出ても本人は寝ているから気付かないという状態になります。
やや強引な方法ではありますが、最も楽に検査を受けられます。

欠点としては、検査後に眠気が残るため回復するまで病院で休んでいく必要があります。また、胃の中をリアルタイムに見ることはできません。


いずれにしても大切なことは「まずやってみること」だと思います。検査を受けるかどうか迷っていらっしゃる方は是非ご相談ください。最も適切な方法をご案内します。

下部内視鏡(大腸カメラ)

大腸がん検診(便潜血検査)が陽性の時は、病気の可能性がありますので、大腸内視鏡による精密検査が必要です。便潜血検査陽性の人の約5%が大腸がんと診断されています。
大腸内視鏡は一般的なイメージほどつらい検査ではありません。医師にご相談ください。

大腸検査の特徴の一つとして、事前に下剤を飲んで腸をきれいにしておく必要がある、ということが挙げられます。
できるだけ内容物を少なくしておいた方が病気の見落としが少なくなるからです。

検査の流れ

まず、たまっているものをすべて出す目的で、検査前日の午後8時に液体の下剤を20ml飲みます。
便秘気味でなければ、通常その下剤で数回排便があります。
さらに腸の中を洗い流す目的で検査当日朝7時から別の液体の下剤を1800ml、1~2時間かけて飲みます。
平均7~8回排便があり、およそ飲み始めから4時間後に検査ができる状態になります。そこまでは自宅で行っていただきます。

午前11時に病院に来ていただき、トイレを済ませて検査着に着替えます。
時計、指輪、ネックレス等の貴金属を身に着けているとポリープ切除の際に偶発症をおこす可能性があるため、着替える時にすべて外していただきます。

血圧や脈拍を測定してから腕の血管に点滴を入れます。
腸の動きを一時的に鈍くする薬や、鎮静薬を使うためです。
ほとんどの方は鎮静薬を使わなくても大丈夫なのですが、どんなに丁寧に入れても痛くなってしまう方は少なからずいらっしゃいます。
痛みが出てから点滴を準備するのでは間に合わないため、予め使わせていただきます。
検査がつらくなるのは、極端な便秘症の方やお腹の手術を複数回行った方に多い傾向があります。

スコープの滑りをよくするため、肛門にゼリー状の薬を塗っていよいよ検査開始です。
肛門から挿入し、大腸の一番奥の盲腸まで進めます。
病気は挿入するときより戻る時の方が見つけやすいので、観察しながら慎重にスコープを抜いてきます。
何も病気がないときは、スコープを盲腸まで進めた後肛門まで戻り終了です。


ポリープが見つかった時には、それを切除するかどうか決めなければなりません。
大きな病変は切除した後に出血することがあるため、入院設備のある病院に紹介して後日そちらで処置してもらいます。
小さなポリープは急に大きくなることがないため、手は付けません。
当院が治療の対象にするのは、大きくも小さくもないポリープ、大きさにして5~10mm位の病変です。
長年放置した時いずれがん化する可能性があるものを、そうなる前に切除してしまいます。
切除するときには痛みは感じません。複数個とることもありますが、苦痛はありません。

下部内視鏡(大腸カメラ)の写真

病気があるかないか、ポリープをとるかとらないか等によって検査時間は変わりますが、11時に開始して12時過ぎには会計をしている場合が多いようです。

皆様からよく聞かれる質問として、「胃カメラと大腸カメラではどちらがつらいのですか?」というのがあります。
これは「胃カメラはやったことがあるけれども大腸は初めて」という方が多いためと思われます。
背景には大腸検査を行う医師や施設がまだ少ないことが考えられます。
私の印象は、「胃カメラを鎮静法で行った方は、大腸の方がつらい。経口法で行い、嘔吐反射を経験された方は胃カメラの方がつらい」という具合です。

近年、大腸がんが増えているのは疑いようのない事実です。
たくさんの患者様とお会いしてきましたが、ほとんどの方は「自分が癌になるとは思っていなかった」とおっしゃいました。
大腸がんが増えていることは認識していても、それが自分に起こるとは思えず対策をしなかったということでしょう。
肉食中心の方、野菜や果物をあまり食べない方、肉親が大腸がんだった方、飲酒や喫煙習慣のある方は積極的に検査を受けた方が良いと思います。

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大腸内視鏡検査